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片浜どうぶつ病院症例ブログ

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座布団を食べちゃった⁉『犬の腸閉塞(ちょうへいそく)』症状と治療について

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座布団を食べちゃった⁉『犬の腸閉塞(ちょうへいそく)』症状と治療について



食べ物ではない物を食べてしまうことを『誤食、異食』と言います。









誤食する原因
①栄養が足りていなくて(特に成長期)、お腹がすいている状態で、なんでも口に入れてしまう。

②寄生虫がお腹の中に寄生している。

③所有欲や独占欲で、飼い主にとられまいと飲み込んでしまう。

④遊んでる時に、事故的に飲み込んでしまう。




などがあげられます。







誤食する年齢は5か月齢~3くらいの若い子が多いです。









誤食される異物 例
・ビニール
・ひも(毛糸、布切れ)
・ビー玉、石、木片
・小さなおもちゃ
・タオルなどの布製品の一部
・竹串
・デンタルガム











小型犬の小腸の太さは成人女性の小指位の太さくらいしかありません。人間にとって小さなものでも動物にとっては大きいものになります。


誤食された異物が胃、小腸でつまってしまうと『腸閉塞』といって、最悪の場合、命を奪われます。手術や内視鏡で、つまった異物を取り除くことが必要になってきます。







腸閉塞の症状は下の①~④が起きやすいです。しかし、内科的な病気や一時的な胃腸炎でも同じような症状が起きるので、診察・検査をすることで診断していきます。









<腸閉塞の症状>
①嘔吐
②腹痛
③下痢
④食欲低下、元気がない











↓↓それでは、実際の治療例をみていきましょう↓↓


11ヶ月齢  チワワ  雌





誤食癖あり。嘔吐する。嘔吐物の中にぬいぐるみの一部があった。元気がない。
1日経過をみましたが、嘔吐がおさまらないので検査を行いました。








血液検査:検査結果から嘔吐を引き起こす病気はありませんでした。









レントゲン検査、バリウム検査
腸閉塞を疑わせる所見がありました。バリウム検査ではバリウムが胃から6時間たっても排出されませんでした(正常なら胃に入った液体は3時間くらいで排出されます)。




赤矢印のところに異物があるレントゲンサインがあります。赤四角の中に折りたたまれた小腸があります(ひも状の異物が詰まっているサインです)。









以上の検査所見から、手術で胃と小腸を切開して、詰まっている異物を取り除くことにしました。










取り除いた異物です↓↓



飼い主さんに確認したところ、よく噛んで遊んでいるぬいぐるみか座布団の切れ端ではないかということでした。




手術後は流動食からはじめ、ウェットフード→ドライフードのふやかし→ドライフードへと少しずつ食事の硬さを変えていきます。5日間ほど入院して元気に退院していきました!!






今後は誤食に注意しながら生活してもらい、誤食する原因がなんなのかを探っていきます。














手術中の写真です↓↓




胃の中の異物です↑↑




小腸の異物 一か所目↑↑



小腸の異物 二か所目↑↑




摘出した異物↑↑
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