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片浜どうぶつ病院症例ブログ

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『犬の乳腺腫瘍(おっぱいの腫瘍)』の治療方法  避妊手術との関係性

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『犬の乳腺腫瘍(おっぱいの腫瘍)』の治療方法  避妊手術との関係性



乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)は雌犬でよくみられる腫瘍のひとつです。乳腺腫瘍ができはじめる平均年齢は8~11歳のため、歳をとった雌犬は特に気をつけなくてはなりません。




乳腺腫瘍の約50が良性ですが、言いかえれば約50が悪性です。仮に、腫瘍ができた当初は良性だったとしても、年月を重ねると悪性に変化することもあります。





腫瘍の大きさが小さければ、手術で取りきることで『完治』できる可能性が高くなります。





腫瘍を取り除く手術方法は何種類かあります。腫瘍ができている場所、数、大きさ、健康状態で手術方法は変わります。






もし、愛犬の胸からお腹にかけて『しこり』ができた場合は、ご相談ください。









それでは、実際の治療例をみていきましょう。




この子は右側 第5乳腺に腫瘍ができていました。↑↑写真のふくらんでいる所が腫瘍です。

約5㎝の大きさです。






↑↑横から見た写真です。ふくらんでいることがわかると思います。










この子は飼い主さんと話し合った結果、『領域乳腺切除』といって右側の第3乳腺~第5乳腺、リンパ節を切除する治療方法を選択しました(赤ライン)。








↑↑手術後の写真です。乳腺腫瘍の場合は、かなりの範囲を切除するため手術跡は広くなります。痛々しく感じるかもしれませんが、抜糸が終わるころ(2週間後くらい)には、いつもと変わらない生活を送れるようになります。








↑↑抜糸後の写真です。
病理検査結果は悪性の乳腺癌でした。腫瘍は完全に取り除くことができ、リンパ節への転移もありませんでした。

今後は腫瘍の再発、転移に注意しながら経過を見守っていきます。






最後に






乳腺腫瘍ができにくくする方法もあります。




それは、早期の避妊手術です。避妊手術を行う時期で乳腺腫瘍の発生率が大きく変わります避妊手術を考えている方は参考にしてください。







避妊手術時期腫瘍発生率
①初回発情(生理)前 
  0.05%

②1回目と2回目の発情の間   
  8%

③2回目以降の発情後 
  26%









乳腺腫瘍の発生率を低くするためには、①か②の時期に避妊手術をすることが有効と言えます。しかし、避妊手術にはメリット・デメリットがありますので、ご相談ください。






また、愛犬の胸からお腹にかけて『しこり』をみつけたらご相談ください。
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