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片浜どうぶつ病院症例ブログ

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『犬の潜在精巣(いぬのせんざいせいそう)』の治療経過について 

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『犬の潜在精巣(いぬのせんざいせいそう)』の治療経過について 


前回 犬の潜在精巣(せんざいせいそう)の記事を
ブログに書きました。


内容は潜在精巣は正常な精巣に比べて


11 腫瘍化しやすい。』





といったものです。






今回の記事では腫瘍化した精巣について、お話したいと思います。




http://katahama.side-story.net/Entry/5/  
↑前回の記事(潜在精巣 去勢を考えていたらチェックしてみましょう




犬の精巣腫瘍は分類として『セルトリ細胞腫』、『セミノーマ』、『ライディッヒ細胞腫』の3つがあります。今回はセルトリ細胞腫の治療経過です。





〇セルトリ細胞腫

↓↓症状の一例↓↓


・雌性化

 腫瘍細胞がエストロジェンという女性ホルモンを大量に分泌するため、オス”なのに”メス”のようになっていく。他のオスがメスと間違えて近づいてくる、おっぱいが膨らむなど。




・両側対称性の脱毛
 左右均等に脱毛することが多い。かゆみを伴わないことが多い。




・皮膚への色素沈着
 脱毛したところの皮膚に黒っぽい色素がつく。












それでは、実際の治療例をみていきましょう。












チワワ  14歳 
 
右側の鼠径部
(そけいぶ)の潜在精巣が腫瘍化しています


   

 
赤丸で囲んだところが腫瘍です。






体の大部分で脱毛があります。かゆみはありません。バリカンで丸刈りにしたわけではなく毛が生ることができない状態なのです。
茶色いところは消毒薬です。



背中側も脱毛しています。







青丸で囲んだ範囲の皮膚に色素沈着が起きていて、黒くなっています。






治療するにあたって手術で
腫瘍化した精巣を摘出しました。





この後の二枚の写真は手術の写真です。苦手な方は☆☆☆印が出てくるまでスクロールしてください。


























左側が腫瘍化した精巣です。右側の精巣は腫瘍化した精巣の影響を受けて小さくなっています。






























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皮膚を縫合して手術は終了です。







手術後の経過を見ていきましょう!!







〇手術1か月後


かなり毛が生えてきました!!皮膚にあった色素沈着も薄くなっています。






〇手術2か月後

 

さらに毛が生えてきました!!





〇手術2.5か月後  
 


さらにさらに毛が生えてきました!!






現在は状態も落ち着いていて、いつも通り なんら変わらない生活を送れています。




セルトリ細胞腫が進行すると皮膚症状だけでなく全身状態が悪化することもあります。



早期に発見して早期の治療が望ましいとされています。








潜在精巣が気になる飼い主様


脱毛が気になる飼い主様(例えば、皮膚疾患や内分泌疾患での脱毛があります)


当院へご相談下さい、改善にむけて何かお手伝いできるかもしれません。






潜在精巣(せんざいせいそう) 去勢を考えていたらチェックしてみましょう
http://katahama.side-story.net/Entry/5/  ←前回の記事
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