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片浜どうぶつ病院症例ブログ

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猫に多い便秘!! 『巨大結腸症』の治療方法

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猫に多い便秘!! 『巨大結腸症』の治療方法



巨大結腸症(きょだいけっちょうしょう)




何日もうんちが出ていない…



硬くて、コロコロしたうんち…



トイレでずっとしゃがんでいるけどうんちが出ない…



トイレで気張った後に、反射的に嘔吐する…



食欲がない…



腹痛…










猫でこのような症状がみられたら便秘かもしれません。










お腹を触診、場合によってはレントゲンを撮影してみると、人間の手首よりも太いうんちがあります。そして、レンガみたいな硬さです。












たかが便秘と,あなどってはいけません。












たまった宿便(しゅくべん)で結腸(けっちょう)という大腸の一部がどんどん膨れていきます。膨れて伸びた結腸は、まるで伸び切ったゴム風船みたいになってしまい、正常な結腸には戻りません。



だるんだるんに伸び切った状態をイメージしてください。伸びきった結腸はうんちを肛門まで送り出す力が弱くなってしまいます。その結果、宿便がさらにたまりやすくなるのです。










<巨大結腸症の原因>
〇結腸の動きの異常
 ・機能不全
 ・内科疾患(内分泌性、代謝性)の症状の一つとして
 ・神経の損傷(交通事故など)
 ・自律神経の障害
 ・行動異常


〇物理的な閉塞
 ・骨盤骨折、骨盤狭窄→→→交通事故の後に多い
 ・結腸、直腸、肛に腫瘍ができて、物理的い塞いでしまう


〇特発性












<治療>
治療は基本的には原因となっている病気・状態の治療・改善が必要です。


特に、交通事故で骨盤を痛めると、便が通ることが難しくなります。


しかし、猫では特発性のことが多いです。それと行動異常が原因のこともあります。







〇内科治療〇
①浣腸
②鎮静麻酔をかけて、ガンコに固まった宿便をゆっくり、やさしく砕いて、おしりから出す。
下剤を定期的に飲んで、うんちがたまらないようにする。
④うんちがでやすくなる療法食を食べる。




〇外科治療〇
 機能不全の結腸を切り取って、正常な腸とつなげる。





●行動異常について●
猫はトイレにこだわりがあります。汚いトイレでうんちをするのを嫌がって、我慢してしまい、結果的に巨大結腸症になってしまうことがあります。また、長期のペットホテルで緊張してしまいトイレを我慢してしまう。過去に便秘になったことがあり、硬い便が出た時におしりがかなり痛くて、その痛みがトラウマになっていて、トイレをためらう。


↑このような行動異常から巨大結腸症になることがあります。












↓↓では、実際の例をみていきましょう↓↓
ここで紹介する3頭は、みんな、うんちがでない、食欲がない、嘔吐がとまらない といった症状で受診されました。








どこに『うんち』がたまっているか……..



赤色の線で囲った範囲にうんちがたまっています。肛門の手前で硬く固まったうんちが栓になって排便できない状態です。









では次の子です







赤色の線で囲った範囲がうんちです。かなりの量の宿便です。








次の子です







お腹の中が『ほとんど宿便』です。









今回紹介した子たちは、浣腸・宿便摘出処置の後、
下剤・療法食で排便をコントロールしています。








何日もうんちが出ていない場合、当院にご相談ください。原因を探っていきましょう。
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