忍者ブログ

片浜どうぶつ病院症例ブログ

片浜どうぶつ病院の日常、ペットの病気、予防、治療など みなさまにお伝えしたいことを配信しています。

『呼吸が苦しい』『猫の膿胸(のうきょう)』 症状と治療方法について  

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『呼吸が苦しい』『猫の膿胸(のうきょう)』 症状と治療方法について  




膿胸(のうきょう)




胸に受けた『ケンカなどの外傷』が原因で、ばい菌が胸の中に入って化膿して、液体をためた状態を膿胸(のうきょう)と呼びます。







外に行く猫ちゃんがノラ猫とケンカした後に、この状態になることがあります。








猫の牙・爪は鋭いのでケンカ相手との体格(子猫と成猫、老猫と若猫)や筋肉量に差があると、胸の中にまでキバ・爪が入り込みます。そして、化膿してしまうのです。









胸に液体がたまった時の症状>
①呼吸が苦しい(呼吸が早い、浅い)

②肩で呼吸している、口を開けて呼吸している

③動かない

④熱がある

⑤食欲がない











胸の中に液体がたまる原因は様々(心臓病、にゅうび、化膿、腫瘍性など)ですが、

胸の中の液体で肺が膨らむことができず、酸素を取り込むことができない

状態
です。地上にいながら溺れている状態です。苦しくないわ

けがありません。













↓↓レントゲン検査↓↓








赤丸で囲った『白い範囲』が胸の中の液体です








↓↓正常な胸のレントゲン写真と比較してみましょう↓↓







青い線で囲った『黒い範囲』が空気をしっかりと吸った、正常な肺の見え方です。

真ん中あたりの卵型の白い物は心臓(赤矢印)です。




最初のレントゲン写真で胸の中が真っ白なのがわかると思います。









<膿胸の治療方法>
・化膿どめとして抗生剤の使用。
・胸の中の液体を抜く。
・酸素室で呼吸を助け、肺が正常に働くことができるようになるまで安静にする。










抜いた液体を遠心分離し、底に集まった白い層を顕微鏡でみてみると、ばい菌・白血球がたくさんありました。化膿所見です。















猫の呼吸が苦しいサインをみつけたら、レントゲンやエコー検査を行うことをお勧めします。今回紹介した子は膿胸という状態でしたが、心臓病、喘息、肺炎などでも呼吸が苦しくなります









いろいろな検査をして情報を集めて診断していきます。


呼吸が苦しい時は、緊急の処置が必要
なことが多いで

す。呼吸がおかしいと思ったら、できるだけ早めの来院

をお勧めします。














<猫の呼吸が苦しいサイン>
・肩で息をしている、ハアハアしている

・呼吸が浅い

口を開けて呼吸している(犬は興奮したときや熱い時に口を開 けて呼吸しますが、猫が口を開けて呼吸しているときは要注意です。)

・動かない、食欲がない
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

P R