膀胱結石(ぼうこうけっせき)
以前の記事で『犬の膀胱結石』の内科治療をご紹介しました。
おしっこが赤い? 『犬の膀胱結石』 内科治療の紹介
膀胱結石は大きく分けて『2つのパターン』
1.飲み薬や療法食を数か月続けることで溶かすことができる結石(以前の記事で紹介したもの)
2.溶かすことができないので、手術で取り除くことが必要な結石
今回の記事では『2』の手術で取り除くことが必要な結石の一つをご紹介します。
チワワ オス 3歳
「血尿と頻尿の症状が続く」という膀胱炎症状で来院されました。
『レントゲン検査』、『エコー検査』で膀胱の中に結石があることがわかりました。
赤丸内の白い塊が膀胱結石です。
次に『尿検査』を行ったところ、シュウ酸カルシウムという結石だと診断がつきました。
レントゲン検査やエコー検査では「硬いものがある」ことしかわかりません。その結石がどのような成分で作られているのかを調べるためには尿検査が必要です。
シュウ酸カルシウム結石は、おしっこが酸性になることで作られやすくなる結石です。この結石は以前の記事でご紹介したストラバイト結石とは違い、療法食や飲み薬といった内科治療では溶かすことができません。
現状は手術で取り除くことが必要です。
◇治療方法
手術で結石を取り除く外科治療
摘出した結石の写真です
直径1cmくらいの結石でした。
このような硬い『結石』が膀胱の中でごろごろ動き回ると、膀胱の粘膜を傷つけます。
気ずついたところからは出血が起きたり、ばい菌が感染することもあります。
結石が膀胱の中にある限り、膀胱炎の症状はおさまりません。
この子は結石を取り除く手術の後2日ほど入院して、元気に退院していきました。
手術後から結石予防のための療法食をスタートして、今のところは再発していません。
今後も定期的に検査(エコー検査や尿検査)をして見守っていきます。
血尿、頻尿などの膀胱炎症状がみられたらご相談ください。