忍者ブログ

片浜どうぶつ病院症例ブログ

片浜どうぶつ病院の日常、ペットの病気、予防、治療など みなさまにお伝えしたいことを配信しています。

『根尖膿瘍:こんせんのうよう』『犬歯』『犬の歯科疾患』症状と治療について

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『根尖膿瘍:こんせんのうよう』『犬歯』『犬の歯科疾患』症状と治療について


根尖膿瘍(こんせんのうよう)




歯周病が進行して歯の根っこに膿がたまることを根尖膿瘍と呼びます。
歯の根っこの下にたまった膿は歯がある限り体外へ排泄されません。歯が抜けてしまえばそこから膿は排泄されます。
 





〇来院理由〇


くしゃみ。口が臭い。犬歯の後ろから膿みたいのがでてくる。






状況からどのような病気が疑われるかというと



 
1.鼻炎

2.鼻の中の異物(細長い草や小さな種、砂など)

3.腫瘍

4.歯科疾患を含めた口腔内病変

 


の4点が疑われました鎮静・麻酔下での口腔内検査のあとに必要な処置・追加検査を行っていきます
 







〇検査の様子です〇

 
口の中に腫瘍はありませんでした。鼻の中に明らかな異物もありません。








今回の検査で見つかった異常所見



1.犬歯の後ろから膿がにじみでている(青やじるし)。


2.犬歯の根元の歯肉がなくなっている(赤線のライン)。





さらに




3.犬歯の後ろ側に『ポケットができている』ことがわかりました。



 


犬歯の後ろ側にできたポケットにカテーテルを入れて、

水流を入れてみる
と鼻から水がでてきます(写真の鼻の穴に注目)。

『犬歯の根っこが膿んでしまい、鼻とつながってしま

っている』
ということです。








〇処置〇

犬歯を『抜歯して内部を洗浄』し、粘膜を縫合して終了としました。





その後、くしゃみなどの症状はでていません。





    
 






他の根尖膿瘍がおきやすい場所は



1.上アゴ臼歯の場合
  眼の下あたりが腫れて、排膿する。
 

2.下アゴ臼歯の場合
  
 







歯周病が重度になるとアゴの骨が溶けていき、最悪の場合、骨折してしまいます。歯のケアを積極的に行っていくことで、歯周病のリスクを減らすことができます。幼少期からの習慣づけが大切ですが、成犬からデンタルケアを始めることも十分可能です。








デンタルケアについて興味を持たれた方は、口の中の健康について当院のスタッフにお尋ねください。
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

P R