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片浜どうぶつ病院症例ブログ

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『冬に多い猫のおしっこのトラブル』『猫の下部尿路疾患』『尿路閉塞』症状と治療について

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『冬に多い猫のおしっこのトラブル』『猫の下部尿路疾患』『尿路閉塞』症状と治療について


冬になると相談件数が増える病気があります。








『猫』のおしっこのトラブルです。









気になる症状は



1.何度もトイレに行くが、少ししかおしっこがでない。

2.血尿。

3.痛そうに鳴きながらおしっこをしている。





1~3の症状は膀胱炎の症状でもあるのですが、似たような症状でありながら『命の危険』がある病気があります『特にオス猫』









膀胱内に結晶・結石ができていて、尿道がつまってしまうと(尿路閉塞:にょうろへいそく)非常に危険です。





大きな結石でなくても、サラサラした砂状のものがおしっこのたびに尿道を流れていくと、尿道が傷ついて腫れてしまいます。腫れてしまった結果、尿道がつまるケースもあります。








尿道が完全に閉塞してしまうと最短約2日で腎不全(じんふぜん)を引き起こして、治療が遅れると、命を落とす可能性が高くなります。







膀胱は水風船のような臓器です。おしっこの出口は一つしかありません。そこがつまってしまうと膀胱の中におしっこはどんどんたまっていきます。たまっても、まだ体に余裕がある場合は尿意があるので何度もトイレに行きます。けれどもつまっているので、おしっこがでません。



  



お腹を触るとレモンやグレープフルーツくらいの大きさで,硬い膀胱が触れます。






だんだんと食欲がなくなって、元気もなくなってきます。頻繁に嘔吐するといった症状がでてきます。










この『猫の尿路閉塞』  









冬にすごく多い病気です。







1.何度もトイレに行くが、少ししかおしっこがでない。

2.血尿。

3.痛そうに鳴きながらおしっこをしている。










1~3の症状がみられたら要注意です
    (特にオス猫)!!!!













治療方法

1.尿道にカテーテルを入れて閉塞を解除する。

2.尿道にカテーテルを入れた状態をたもって入院治療。

3.何度も繰り返すオス猫の場合はちんちんを切除して尿道を広げる手術をする。










ただ、3の治療をするケースはまれです。『猫の下部尿路疾患』の再発予防に療法食があるので、療法食で病気を管理できることが多いです。










では、実際の例をみていきましょう。2例、ご紹介します。いずれもオス猫です。









来院理由は2例とも

 1.何度もトイレに行くが、少ししかおしっこがでない。

 2.血尿。

食欲なし、元気なし、嘔吐の回数が多い。
 








尿道にカテーテルを入れているところです。
膀胱内にたまった尿をすべて抜いて、膀胱内を生理食塩水で洗浄します。










回収した尿を遠心分離した写真です。白い粉みたいに見えるものが結晶です。




2例目です
結石が尿道につまっていました。




大きさの比較で5円玉と比べてみましょう。







この子たちは閉塞を解除したあと、療法食で経過をみています。今のところ再発はありません。









尿路閉塞は『メスよりオスのほうが多い病気』です。







オス猫で膀胱炎症状がみられたときは特に注意しましょう。













膀胱炎症状

1.何度もトイレに行くが、少ししかおしっこがでない。

2.血尿。

3.痛そうに鳴きながらおしっこをしている。
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